「60坪の住宅の広さが具体的にイメージできない…」
「60坪の住宅を豪邸っぽく仕上げるポイントを知りたい」

これから60坪程度の住宅を建てるにあたり、このようにお考えの方もいるでしょう。

理想を実現するには、60坪の広さについて具体的なイメージを持ったうえで建築を検討することが大切です。

本記事では、60坪の住宅の具体的な広さや、豪邸感を演出するためのポイントを解説します。

60坪の住宅の広さはどれくらい?

ここでは、60坪の住宅の広さについて以下の観点から解説します。

  • 広さは学校の教室3つ分程度
  • 必要な土地の広さは条件によって異なる
  • 6〜7人世帯が問題なく生活できる
  • 間取りは4〜6LDKが目安

購入を検討している土地の条件や家族構成などと照らし合わせながらチェックしましょう。

広さは学校の教室3つ分程度

60坪の広さを平方メートルに変換すると198.34㎡です。一般的な学校の教室の広さは64㎡(※1)なので、60坪はおよそ教室3つ分の広さがあります。

なお、住宅金融支援機構が発表した2023年度の「フラット35利用者調査」によると、注文住宅の延べ床面積の全国平均は119.5㎡(約36坪)でした(※2)。60坪の家の広さは全国平均の約1.7倍であり、ゆとりのある広さです。

エリアによって延べ床面積の平均は異なり、同調査によると首都圏の平均の延べ床面積は120.4㎡(約36坪)で、60坪を大きく下回ります(※2)。60坪の住宅は、首都圏ではかなり広い部類です。

また、首都圏のマンションにおける平均の延べ床面積は、同調査によれば63.6㎡(約19坪)です(※2)。マンションと比較すると、60坪の家は約3倍の広さがあり、余裕を持って生活できることがわかります。

※1 参考:文部科学省「主な検討事項及び論点に関する資料
※2 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査

必要な土地の広さは土地条件によって異なる

60坪の住宅を建てるのに必要な土地の広さは、「建ぺい率」と「容積率」の条件によって異なります。

建ぺい率と容積率の定義は、以下のとおりです。

種類内容
建ぺい率敷地面積に対する建物を真上から見たときの面積の割合
容積率敷地面積に対する延べ床面積(各階の合計)の割合

建ぺい率と容積率は用途地域によって違いがあるので、注意する必要があります。用途地域とは都市計画法の地域地区のことで、建築できる建物の種類や用途を定めています。

主に1〜2階建ての戸建て住宅が建ち並ぶ「第一種低層住居専用地域」であれば、建ぺい率は30〜60%です。戸建て住宅以外にも商業施設などが建てられる「第一種住居地域」の建ぺい率は50〜80%で、同じ広さの住宅を建てる場合でも、建ぺい率の低い第一種低層住居専用地域のほうが広い土地が必要になる可能性があります。

用途地域は自治体のホームページや都市計画課で調べられるため、土地を決める前に確認しましょう。

たとえば、建ぺい率60%・容積率200%の土地に、ワンフロアあたり30坪の2階建ての住宅を建てることを想定して、必要な土地の広さをシミュレーションしてみましょう。

種類必要な土地の広さ
建ぺい率建築面積30坪÷建ぺい率60%=50坪
容積率延べ床面積60坪÷容積率200%=30坪

建ぺい率と容積率の両方を満たす必要があるので、上記の場合に必要な土地の広さは50坪です。

建ぺい率と容積率の兼ね合いで、保有している土地で60坪の広さを確保できないケースも考えられるため、あらかじめ確認しておきましょう。

6〜7人世帯が問題なく生活できる

建ぺい率や容積率にもよるものの、60坪の住宅では6〜7人世帯が問題なく生活できます。

国土交通省は「住生活基本計画」で居住人数に対する住宅面積の目安を示しており、家の広さについて主に以下の2つの基準を設けています。

  • 最低居住面積水準:健康で文化的な住生活に不可欠な面積
  • 誘導居住面積水準:豊かな住生活の実現に必要な面積

戸建住宅を想定した誘導居住面積水準は、2人世帯以上の場合、25㎡×世帯人数+25㎡で計算します。

  • 5人世帯:25㎡×5+25㎡=150㎡(約45坪)
  • 6人世帯:25㎡×6+25㎡=175㎡(約53坪)
  • 7人世帯:25㎡×7+25㎡=200㎡(約61坪)

住生活基本計画の目安と照らし合わせると、60坪の住宅では6〜7人世帯が問題なく生活できることがわかります。

参考:国土交通省「住生活基本計画における「水準」について

間取りは4〜6LDKが目安

60坪の住宅の間取りは、4〜6LDKが目安です。完全分離型の二世帯住宅も十分可能な広さであり、ご家族のプライバシーを守りながら生活できます。

また、ワンフロアあたりの床面積にもよりますが、60坪の住宅ではLDKを30〜40畳の広々とした空間にできる可能性があります。シューズクローゼットやボウルシンクなども作れるでしょう。

その他にも、60坪の住宅なら、ビルトインガレージを2台分確保できます。ビルトインガレージ2台分を想定するなら、4LDKで4〜5人世帯が目安となります。

ビルトインガレージについては以下の記事も参考にしてください。

60坪の広さで豪邸感を演出するためのポイント

60坪の住宅で豪邸感を演出したいと考える場合には、以下のポイントを意識しましょう。

  • サイズの大きな窓や吹き抜けで開放感を演出する
  • 配色や素材選びにこだわる
  • 外構デザインも重視する

それぞれのポイントについて解説します。

※ここで紹介している参考写真は山川設計の実例ではありません

サイズの大きな窓や吹き抜けで開放感を演出する

サイズの大きな窓や吹き抜けを取り入れると、空間を広く感じられるため、開放感がある洗練された印象にできます。また、天井高を上げて開放感を演出するのもおすすめです。

▼参考例:吹き抜けのあるリビング

吹き抜けのある60坪の豪邸

その他にも、空間の奥の方にアートなどを飾って視線を遠くに集めたり、背の低い家具を配置したりして、空間に広がりを持たせる方法もあります。
さらに、室内から庭まで連動させた外構を採用すると、外とのつながりを感じやすく開放感アップにつながります。

配色や素材選びにこだわる

内装の素材が人工物中心になると高級感を演出するのが難しいので、自然素材や本物の質感に近い素材を取り入れましょう。自然素材は独特の質感や模様を持っており、内装に使用することで上品な印象を与えられます。

たとえば、木目調ではなく本物の木材を使用するなど、なるべく本物の自然素材を使うことが豪邸感の演出につながります。本物の自然素材は照明の明かりによって陰影や奥行きが生まれるため、重厚感を演出しやすいのも魅力です。

▼参考例:木材を使った内装

木材をふんだんに使ったリビング

また、配色面ではホワイトやベージュなどの明るい色・淡い色を中心にすると、自然光や照明の光を反射して空間を明るくするため、開放感が得られます。

外構デザインも重視する

内装だけではなく、外構デザインも重視することで家全体に豪邸感が生まれます

たとえば、高さのある塀で敷地を囲ったり、シンボルツリーを配置してメリハリを持たせたりするのがおすすめです。

▼参考例:石塀

高さのある石塀

▼参考例:シンボルツリー

シンボルツリーが印象的な60坪の豪邸

外構デザインを検討する際は、プライバシー確保も考慮しておきたいポイントです。高さのある塀やシンボルツリーであれば、高級感を演出しながら、視線を遮る効果も得られます。

山川設計の豪邸実例

豪邸を検討する際に参考となる、山川設計の実例を紹介します。実例をチェックしながら、豪邸のイメージを膨らませましょう。

中庭がある豪邸の実例

コの字型の中庭がある豪邸

こちらは、中庭を設けることで開放感をアップさせた豪邸の実例です。中庭をコの字型に囲むような空間の構成にしており、家の隅々まで明るい光を取り入れられるように工夫しています。

ロートアイアンが印象的な豪邸

外観には石張りにロートアイアンでアクセントを加えていて高級感があり、洗練された印象です。

天然石を取り入れた高級感のある豪邸の実例

天然石を取り入れた高級感のある豪邸

こちらは、リビングの壁の一部に天然石を張り、高級感のある空間に仕上げた豪邸の実例です。サイズの大きな窓を配置しているので自然光が入りやすく、視線が抜けることによって広がりが感じられます。

吹き抜けを設けた開放感のあるリビング

また、LDKの一部には吹き抜けを設けており、開放感アップにつながっています。

地下室を設けた豪邸の実例

地下室を設けた豪邸

こちらは、グランドピアノ2台がゆったりと並べられるレッスン室を地下に設けた豪邸の実例です。

地下と1・2階をつないでいるアイアンの螺旋階段

地下と1・2階をつないでいる螺旋(らせん)階段やアイアンの手すりが、エレガントな印象を与えています。

石張りを取り入れた豪邸の外観

また、外壁には石張りを採用しており、半円を描く形状が柔らかさと上品さを演出しているのも特徴です。

サウナなどを取り入れた遊び心のある豪邸の実例

モノトーンでまとめた階段と廊下
豪邸のなかにあるゴルフ練習ルーム

こちらは、施主様の遊び心とこだわりの詰まった豪邸の実例です。サウナやゴルフ練習ルーム、カラオケセットを備えたプレイルームなどがあり、ご家族はもちろんご友人を招いても楽しく優雅に過ごせます

リビングに連続するように設けられたテラス

また、リビングに連続するようにテラスを設けているので、外とのつながりを感じやすく、空間に広がりが生まれています。

リビング階段があるモダンな豪邸の実例

吹き抜けとリビング階段を設けたモダンな豪邸

こちらは、吹き抜けとリビング階段を設けたモダンな豪邸の実例です。ブルーのリビング階段が空間のアクセントとなり、スタイリッシュな印象に仕上がっています。

リビング階段に沿った壁は窓の面積が多く、開放感を得やすいデザインです。窓からは空とホワイトの外観のコントラストが美しい景色を楽しめ、優雅な一時を過ごせます。

まとめ

60坪の広さは平方メートルに変換すると198.34㎡で、6〜7人世帯が問題なく生活できる広さです。60坪の住宅を豪邸に仕上げたい場合には、吹き抜けを設けるなど、開放感や高級感を得られる工夫を積極的に取り入れてみましょう。

山川設計は、豪邸をはじめとして800棟以上の幅広い施工タイプを実現してきた、豊富な実績をもつ設計事務所です。施主様の希望や理想を丁寧にヒアリングし、間取りやデザインを提案いたします。

無料相談も受け付けているので、理想の豪邸を実現したいとお考えの方は気軽にお問い合わせください。