目次
- 高級住宅におけるビルトインガレージという選択肢
- ビルトインガレージの実例【山川設計の実例】
- 実例1.名車フェラーリ458を愉しむ住まい
- 実例2.愛車が映える黒壁のガレージ
- 実例3.眺望を楽しむ高台のガレージハウス
- 実例4.らせん階段でご主人の部屋とガレージを直結した遊び心のある住まい
- 高級住宅でビルトインガレージを作るメリット
- 車を雨風や紫外線から守れる
- セキュリティ面で安心できる
- 悪天候の日でも乗り入れがスムーズとなる
- 愛車をインテリアのように楽しめる
- 簡易な収納場所としても活用できる
- 高級住宅でビルトインガレージを作る際の留意点
- 防音対策をおこなう
- 換気対策をおこなう
- ガレージのサイズを確認する
- 車の車高を確認する
- L型側溝の切下げの有無を打ち合わせする
- 将来的な増車・乗り換えを考慮する
- 照明にもきちんとこだわる
- 信頼できるハウスメーカーや設計事務所を選ぶ
- まとめ
「新しく建てる家には、高級感溢れるガレージをつくりたい」
「かっこいいガレージにするにはどうすればいい?」
ビルトインガレージは雨風や紫外線などから愛車を守れる、愛車をインテリアのように展示できるなど、車を大事にする人にとっては非常に魅力的な選択肢です。
本記事では、高級住宅におけるビルトインガレージの実例を紹介します。
高級住宅におけるビルトインガレージという選択肢

ビルトインガレージとは、住宅の一部に組み込まれたガレージのことです。
住宅の1階部分に設置することが基本で、インナーガレージと呼ばれることもあります。居住スペースとガレージが明確に区分されており、車の保管が主な目的です。
ビルトインガレージは、単なる駐車スペースとしてだけでなく、趣味のスペースとして使用するなど、工夫次第でより魅力的に活用できます。ビルトインガレージがあれば、こだわりの住宅がより魅力的なものになるでしょう。
ビルトインガレージの実例【山川設計の実例】
ここでは、山川設計が手がけたビルトインガレージの実例を紹介します。
実例をチェックして、高級住宅でどのようなビルトインガレージを作りたいか、イメージを膨らませてみましょう。
実例1.名車フェラーリ458を愉しむ住まい

室内からいつでも愛車のフェラーリが眺められるように、ガレージと玄関ホールはガラスにしました。
ガレージの壁面はフェラーリの屋根に合わせて黒く、室内へのドアはフェラーリの本体部分に合わせて赤く塗装されています。

家の中は、フェラーリの赤を引き立たせるために、白をベースに洗練された空間を演出しました。
車に合わせて内装のデザインまでとことんこだわった実例です。まさに愛車と過ごす住まいといえるでしょう。
実例2.愛車が映える黒壁のガレージ

玄関ホールに続くガレージは、愛車の鮮やかなグリーンが映えるよう黒で仕上げました。
ドアや窓をガラスにしたことで、家の中からいつでも愛車を眺められます。

ガラス扉はガレージに続いています。あえて直線的な装飾を入れることで、クールですっきりとした印象に仕上げました。
実例3.眺望を楽しむ高台のガレージハウス

単なる駐車スペースではなく、ショールームのような空間を作りたいという施主様の依頼により実現した、高台のガレージハウスです。
数台保有する愛車をすべて家の中に収め、家の中からも車を眺められるガレージを実現しました。
ガレージに使用されている横長の力強いゲートが、外観のデザインのアクセントとなっています。

玄関前には広いスペースを確保しました。
公道を使うことなく、敷地内で余裕をもって車を転回させられます。

ガレージの一角には鉄骨階段を設けました。愛車の眺めを引き立たせるため、手すりにはシンプルなデザインを採用しています。
LDKは2階に設けることで、上から愛車を眺められるようにしました。
1階には2台のフェラーリやハーレーを改造したトライクなどを収められるスペースを設けています。

夕暮れ時に下の道路から見上げた外観です。
ガラス窓から見える愛車が、高台の住まいをより印象的なものにしています。
実例4.らせん階段でご主人の部屋とガレージを直結した遊び心のある住まい

施主様がありきたりのデザインではない「かっこいい家」を希望して実現した邸宅です。
曲線を多用した外観はどの方向から見ても美しく、自慢の愛車を収めるのにふさわしいデザインです。

曲線のシルエットが、夕景にも美しく映えています。
ビルトインガレージの中央には、ご主人の部屋につながる黒いらせん階段を作りました。
高級住宅でビルトインガレージを作るメリット

高級住宅でガレージを作ると、さまざまなメリットがあります。メリットを知ることで、ビルトインガレージを作りたい気持ちが高まるでしょう。
車を雨風や紫外線から守れる
ビルトインガレージを作るメリットは、車が劣化する原因となる雨風や紫外線などから大切な車を守れることです。また、風が強い日でも、物が飛んできて車に傷が付く心配がありません。
ビルトインガレージを検討している方は、基本的に愛車を人一倍大事にしていることでしょう。屋外駐車と屋内駐車では、数年後の車の経年劣化が圧倒的に変わってくるため、車を大事にしたい人にこそビルトインガレージはおすすめです。
また、屋外駐車と比べて洗車の手間・回数が減る点もメリットといえます。
セキュリティ面で安心できる
ビルトインガレージはセキュリティ面で安心できます。シャッターを設置することで、盗難やいたずらなどのトラブルから車を守れるためです。
自分とは無縁だとお考えの人が多いかもしれませんが、日本では自動車盗難事件が増加傾向にあります。警察庁が令和6年3月に公表した自動車盗難等の発生状況は以下のとおりです。
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | |
---|---|---|---|---|
自動車盗難認知件数 | 5,210件 | 5,182件 | 5,734件 | 5,762件 |
自動車盗難の発生場所は一般住宅がもっとも多く、令和5年においては被害全体の約40%が一般住宅での被害です。
屋外駐車でも防犯カメラ等での対策は可能であるものの、対策には限界があります。とくに高級車は狙われやすいので、防犯の観点でビルトインガレージを検討してもいいでしょう。
参考:警察庁「自動車盗難等の発生状況等について」
悪天候の日でも乗り入れがスムーズとなる
ビルトインガレージは、雨が強い日でも濡れることなくスムーズに車に出入りできます。
屋外駐車の場合、雨が降っている日は傘を差して車と住宅の間を移動しなくてはなりません。
雨の日の買い物帰り、両手一杯の荷物があり憂鬱な気持ちになった経験がある人も多いでしょう。濡れるのを覚悟して玄関まで急ぐか、あるいは片手に傘を差して玄関と車を何往復もするか…そこに小さい子どもがいたら、なおさら大変です。
ビルトインガレージは車から室内までの導線が短いので、荷物が多い日や子連れの方でも安心して車を利用できます。
愛車をインテリアのように楽しめる
ビルトインガレージは、居住部分と接する部分をガラス張りの扉や窓にすることで、愛車をインテリアのように楽しめます。
車をショールームのように展示したり、車を眺めながらお酒を飲んだりなど、ビルトインガレージがある生活を想像しただけで夢が広がるでしょう。自宅に招いた知人に愛車を自慢することもできます。
せっかくビルトインガレージを作るなら、単なる室内駐車スペースとして考えるのではなく、間取りや設計にもとことんこだわってみましょう。
簡易な収納場所としても活用できる
ビルトインガレージは、簡易な収納場所として活用できる点もメリットの一つです。
以下のように自宅の中には持ち込みにくいものや車の中に入れっぱなしにしたくないものを、ガレージに置いておけます。
- 洗車用品
- 冬用タイヤ
- アウトドアグッズ
これまで収納場所に困っていたものでも、すっきりと収納させられるでしょう。タイヤの付け替えやメンテナンスなどの作業をそのままガレージ内でできるのも嬉しいポイントです。
高級住宅でビルトインガレージを作る際の留意点

高級住宅でガレージを作る際、以下のような留意点があります。事前に留意点を把握して、対策を講じることが重要です。
- 防音対策をおこなう
- 換気対策をおこなう
- ガレージのサイズを確認する
- 車高とL型側溝の切下げの有無を打ち合わせする
- 将来的な増車・乗り換えを考慮する
- 照明にもきちんとこだわる
- 信頼できるハウスメーカーや設計事務所を選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
防音対策をおこなう
ビルトインガレージはガレージと居住スペースが直結しており、居住スペースに音が伝わりやすいです。具体的には、以下のような音が居住スペースへと伝わります。
- エンジン音
- シャッターの開閉音
- 車のメンテナンス作業中の音
とくに夜遅くに車で帰宅する際は、エンジン音やシャッターを開閉する音が睡眠を妨害するおそれがあるでしょう。小さい子どもがいるご家庭はとくに注意が必要です。
防音対策としては、リビングや寝室をガレージから離す間取りにしたり、防音性に優れた壁材を使ったりすることが考えられます。対策しておけば大きな問題にはならないものの、後からの改善が難しい部分なので、事前にしっかり検討しておきましょう。
換気対策をおこなう
ビルトインガレージは、排気ガスがこもりやすいので換気に注意が必要です。
車のエンジンの排気ガスには有害な一酸化炭素が含まれています。吸い込んでしまうと最悪の場合、命を落とす危険性もあるため、ビルトインガレージ内の換気対策は必ずおこないましょう。
換気対策としては、換気扇や窓を設置するなどが有効です。基本的には換気を考慮して設計されますが、最低限の対策だけだと排気ガスがこもる可能性があるので、施工会社としっかり話し合っておきましょう。
ガレージのサイズを確認する
ビルトインガレージを作る前に、ガレージのサイズは入念に確認するようにしましょう。車を駐車するスペースが不十分だと気づいても、完成後は変更が難しいからです。
参考プランとして提示されるものの中には、軽自動車や小型自動車しか入らないようなものもあります。
参考として、軽自動車と普通自動車のサイズの規格は以下のとおりです。
長さ(m) | 幅(m) | |
---|---|---|
軽自動車(平成10年10月1日以降に製作された場合) | 3.40以下 | 1.48以下 |
普通自動車 | 4.70以下 | 1.70以下 |
軽自動車・普通乗用車という括りで比べただけでも1m以上差があります。どのような車を駐車するかでガレージのサイズはかなり変わってくるでしょう。
また、駐車できる最低限のサイズにすると、駐車や乗り降りが大変だったりものを置けなかったりするなどの懸念が出てきます。
ビルトインガレージに停める車のサイズがどのくらいか、車を何台置くか、あらかじめ設計担当者に伝えるようにしましょう。
参考:軽自動車検査協会「軽自動車とは」
参考:国土交通省「自動車の種類」
車の車高を確認する
ビルトインガレージの高さは、車高より少し高めに考える必要があります。国土交通省が定めた天井の有効高さは以下のとおりです。
車の種類 | 天井の有効高さ |
---|---|
軽自動車 | 2.1m |
小型自動車 | 2.1m |
普通自動車 | 2.2m |
国土交通省によると、ガレージの高さは最低2.1m以上確保しなければいけないと定められています。車高が高い車を停める場合は最低でも2.4m以上の高さが必要です。
ただし、あくまで最低限必要な高さなので、広々としたガレージを演出したいならさらに大きくする必要があります。
L型側溝の切下げの有無を打ち合わせする
傾斜地の場合は車高が低い車だと下部を擦る可能性があります。駐車場法施行令第8条によると、スロープの勾配は1/6以下と定められており、角度でいうと約9.4度程度に抑えなくてはなりません。
段差で車の出し入れができない場合、L型側溝の切下げ工事をおこなうケースもあります。切下げ工事とは、敷地と道路の間にある段差を下げる工事です。
切下げ工事は、必要に応じて自治体に承認を要請する必要があります。作業自体も簡単なものではないため、安心して任せられる施行会社に相談しましょう。
将来的な増車・乗り換えを考慮する
ビルトインガレージを作る際は、将来的な増車や乗り換えを考慮しましょう。ビルトインガレージは住宅の一部として組み込まれているので、後から駐車スペースのサイズを変更できないためです。
たとえば、憧れのスポーツカーを駐車するためにビルトインガレージを作ったものの、子どもが産まれて大きい車が欲しくなったというケースです。大きな車を駐車するスペースが確保できず、乗り換えを諦めた結果、生活が不自由になるといった事態になりかねません。
車を増やす可能性はもちろん、大きい車に乗り換えたときに駐車スペースが足りなくなったり狭くなったりする可能性も考慮しておきましょう。
照明にもきちんとこだわる
ビルトインガレージを作るなら、照明にもこだわりましょう。ビルトインガレージは、照明によって印象ががらりと変わるためです。
作業するための明るい照明を入れるのか、それとも雰囲気にこだわった魅せる照明を入れるのかなど、自分の要望を担当者にしっかり伝えておきましょう。
ビルトインガレージの目的ごとに、よく選択される照明の種類を以下にまとめました。
照明の種類 | 目的 |
---|---|
シーリングライト(天井に取りつける) | ガレージ全体を明るく照らす |
ダウンライト(天井に埋め込む) | 天井が低いビルトインガレージで利用する |
ブラケット(壁に取りつける) | デザイン性にこだわる |
スポットライト(天井や壁に取りつける) | 作業する手元を明るく照らす |
基本的には、人感センサーが付いているモデルが推奨されます。人が入ってきたタイミングでガレージ内が明るくなるため、便利で安心です。
信頼できるハウスメーカーや設計事務所を選ぶ
ビルトインガレージを作る際は、信頼できるハウスメーカーや設計事務所を選びましょう。ビルトインガレージは多くの家にある要素ではないので、知見に乏しいハウスメーカーや設計事務所もあるためです。
ビルトインガレージの知見が豊富であれば、デザインや間取りはもちろん、注意点を考慮した設計・建築を提案してもらえます。どのような実例があるのかもきちんとチェックしておきましょう。
まとめ

ビルトインガレージには、雨風や紫外線などから愛車を守れる、愛車をインテリアのように展示できるなどのメリットがあります。また、盗難やいたずらを防止する観点からも、愛車を大事にする人にはとくに推奨されます。
ただし、防音対策や換気対策などいくつか留意点もあるので、信頼できるハウスメーカーや設計事務所に相談することが重要です。
こだわりのビルトインガレージを作りたい場合は、ぜひ山川設計にご相談ください。
山川設計には、さまざまなビルトインガレージの施工実績があります。徹底的なヒアリングと高い提案力で、施主様の理想の空間を実現します。また、特定のスタイルにとらわれない、自由で柔軟なデザイン力も強みです。
無料相談も受け付けているので、高級住宅でこだわりのビルトインガレージを作りたい方はぜひお問い合わせください。