ご夫婦で長くベルギーで暮らしていたTさん。帰国後は木造の一軒家にお住まいでしたが、その土地が再開発されることになり、新たに土地を求めて住まいを新築することになりました。その時に思い出したのはベルギー滞在時代の石造りの家の住み心地の良さ。新しい家はRC造で建てることにしました。
RC造の安心で快適な住まいに
Q ベルギーにお住まいだったんですね
私の仕事の関係で6年ほど夫婦で滞在していました。2005年に帰国して、それからは約10年、木造の一軒家に住んでいたのですが、その家がたまたま駅前の再開発区域内にあったので立ち退かなければならなくなり、新たに土地を探して新築することにしました。
Q どんな住まいにしようとお考えだったんですか
ヨーロッパの住宅は石造りが当たり前で、滞在中の私たちの家もそうでした。石造りの家に住み慣れていたこともあり、堅牢で断熱性や防音性が高いRC造の住宅に住みたいと思っていたんです。中古でもと思ったのですが、日本はあまり中古住宅が流通していなくて希望に合うようなものがありません。そこで新築しようと思いました。
ホームページで見つけた山川設計
Q山川設計とはどんな出会いでいらしたのですか?
きっかけはホームページです。RC造の住宅を専門にしている設計事務所は、実は少ないんですね。たまたまホームページで見かけた山川設計の住宅実例がどれも魅力的だったので、ぜひお願いしたいと思いました。特にロートアイアンの装飾が魅力的で、ヨーロッパ時代を思い出しました。ただ立派な家ばかりなので、わが家のような規模でも引き受けてくれるのかと、多少不安はありましたが、とにかく一度訪ねてみようと思って、新宿まで出かけました。2015年の7月のことです。実はその時は土地も決まっていなかったんです。まず話だけでも聞いてみようと思って出かけました。
Q最初の印象はいかがでしたか?
模型やパネル写真が並んだ素敵なギャラリーでした。正直なところ入るには少し勇気がいりましたが、とても気さくに対応していただき、お願いできそうだと安心しました。その3カ月後くらいに土地が決まったので改めて相談に伺い、年が明けて2016年の1月から本格的な設計の打ち合わせをはじめました。初回は私たちが二人で考えた20項目くらい「新しい家の希望」をメモにして持って行ったんです。

Q打ち合わせはどんな印象を持たれましたか?
毎回行くのが楽しみでした。私たちが希望を話すと、ではこんなイメージではどうかとその場でスケッチしてくれ、打ち合わせのなかで変更点が出ると「じゃあ、こうしたらどうだろう」とスケッチを描き直してくれる。それがすごく手早くて、イメージも湧きやすかったです。月2回ほどのペースで住まいが完成するまで合計30回くらい打ち合わせをしました。設計の話以外の雑談もたくさんしましたが、それも含めてとても楽しい時間でした。
個室にこもらず家族がいつも一緒に過ごす家に
Q20項目の要望というのはどんなことだったんですか?

思いつくまま大小さまざまにメモにしたものです。例えば「リビングダイニングはプライバシーを保ちながら開放感がほしい。例えば中庭や吹き抜け。目安はキッチンを除いて20畳くらい」「リビングに学習スペース 椅子2脚」「書斎に造り付けの本棚。壁一面に」「断熱性が高い」……といったものです。思い浮かんだことを端からメモにしたのでまとまりはありませんが、とにかく忘れないようにと書き出しました。
Qご要望はほぼ実現したわけですね
2025年2月の取材時に改めてリストを振り返ると1項目を除いてすべて実現しています。特に家族で過ごす場所として一番大切に考えていたLDKがすっきりしたワンルームの大空間になり、またダイニングには大きな吹き抜けもあって、とても気に入っています。リビングには、これも希望通り造り付けの本棚や大きなカウンターテーブルがあります。LDKは間仕切り壁などがないオープンで開放的な空間なので、子どもが通う小学校のお母さんやお父さん友だちが子どもさんと一緒に何組も見えても、狭い感じがありません。キッチンもオールステンレスの気に入ったものがあったので、それを入れました。
ちょっとしたゆとりの空間が気持ちを豊かにしてくれる
Q完成していかがですか
ダイニングは天井が高く、北側斜線の制限を利用して設けた吹き抜けの2つ窓から空が見えてとても居心地が良いです。リビングとも一体の空間で、家族がどこにいてもコミュニケーションが取りやすいですね。打ち合わせの時に想像したとおり、家族はほとんどの時間をこのLDKで過ごしています。スタディコーナーで親子が隣り同士で勉強をしたり仕事をしたりしていることもよくありますね。打ち合わせの時に、FIXの窓を増やしたほうがガラス面が大きくなり空間がすっきりするとアドバイスをもらいました。その時は開かない窓が増えると不便に感じるのではないかと思ったのですが、暮らし始めてみるとFIX窓はサッシの縦のラインが減るので空間がすっきりしてとても良いものだと感じました。もちろん開けられるところもあるので換気や風通しも十分です。それから吹き抜けに沿って設けた3階の廊下から見下ろすLDKがいいですね。廊下は無駄にも見えますが、こういうゆとりの場所が暮らしを豊かにしてくれるのだなと改めて感じます。外観デザインも気に入っています。曲線を描くバルコニーのデザインや白い外壁も山川設計ならではですが、街並みを引き立てるものになったのではないかと思います。


Q奥さまのご感想はいかがですか
エンボス加工がきれいなステンレスのキッチンは妻のお気に入りだったので、とても満足しています。私も時々料理をしているんです。彼女は在宅で仕事をしていますが、この家になって専用の部屋もできたので、仕事もしやすくなったのではないでしょうか。趣味のギターも思い切り弾いています。


「できない」とは言わない頼もしい存在
Q山川設計の住宅をおすすめいただけるとしたら、どんな点ですか
いろいろな希望を出しましたが、「それはできません」という答えは一つもありませんでした。無理難題も「考えてみましょう」と引き受けてくれて、いろいろな解決策を示してくれました。その点は要望を何とか実現しようとする山川設計の姿勢の表れですね。自由度の高いRC造だから、なおさらいろいろなチャレンジができるのだと思います。“希望が叶う家”ではないでしょうか。規格品や決められた範囲からの選択ではなく、そのご家族らしい住まいづくりを一からされたいかたに、山川設計はお勧めだと思います。